心を病みやすいきつい仕事ランキング! 会社辞めたい・転職・就活考えてる人・メンタル弱い人向け

2019年7月14日

当たり前ですが精神を病むと大変です。きつい仕事をしていると心を病みます。では、心を病みやすい仕事ってどんな仕事なのでしょうか。統計の取り方にもよりますが、今回は厚生労働省の「H30過労死等の労災補償状況」の業界別精神疾患労災申請の請求件数をもとに見ていきましょう。

精神疾患労災申請件数なので、業界ごとの労災申請件数”割合”ではありません。ちょっと手元に割合を示す文献がないので今回は件数で見ていきます。いずれ見つかったらまた書こうかと思います。

支給決定件数ではなく申請件数をもとに記事を書いています。「労災申請する時点できつい仕事」として今回は考えています。

また、今回は精神疾患による申請のみです。ケガなどの労災もいずれまた書ければと思ってます。

うつ病は生涯有病率(これまでにうつ病を経験した者の割合)が3~7%、いったん改善しても約60%が再発します。とりあえずなっちゃうと大変なことになります。そのためにも心を病みやすい業界はなるべく避けましょう。

1位は医療,福祉 社会保険・社会福祉・介護事業! 

1位は介護で働く人達でした。実際ニュースなどでもきついとよく言われている職業ですもんね……

件数は192件でした。2日に一人は介護・社会福祉のお仕事をしている方が日本のどこかで労災申請をしている計算ですね。

192件のうち自殺者・自殺未遂者は6人でした。

たまに介護士の方が、老人ホームに入居している方に暴行を加えたなどの事件もありますし、やはりきつい仕事なのでしょう。

ちなみに「H29過労死等の労災補償状況」でも1位は同じでした。さすが介護ですね。証券や銀行で働いていた人はメンタルが強いといわれますが、これを見ると介護でバリバリ働いてる人たちのほうがメンタル強かったりするんじゃないかと思います……。

介護で本当にメンタルを病んでいる人は早く転職したほうがいいのかもしれませんね……。

ちなみに、金融・保険業では保険業(保険媒介代理業、 保険サービス業を含む)が13位で35件でした。

先日損保ジャパンで金融部門を担う本社から介護業界に携わる子会社へ配置転換というニュースがありましたが、いきなりきつい職場に配属されたら精神的にもとてもきついですね……。

今までExcelとかで書類だとか資料作成だとかよくわからないミーティングとかプレゼンして仕事してた気になってた人達が急に介護なんてできるんでしょうか……。

介護にもケアマネージャーなどいくつもの資格や講習がある中で、急に未経験の人たちをたくさん介護の子会社に配属するなんて損保ジャパンの経営陣もなかなかなことをやるもんだと思いました。

配属される前に退職するか、介護職として活躍していくか、精神的につらくて辞めていくか、って感じになるんでしょうね。

2位は福祉・医療業! やっぱり医療系は大変なお仕事

2位は看護師や医者を含む福祉・医療業でした。人の死ぬところや大けがや手術が必要になるような病気の人たちへのお仕事をしていればつらいことも確かに多いでしょう。

大病院だと夜勤や緊急対応も多いでしょうし働き方そのものもハードそうですね……。

申請件数は127件でした。こう見ると介護がかなり差をつけて多いですね。ただ、平成30年度に関しては自殺・自殺未遂者が9人で1位の介護より高いです。

平成29年度も同じく2位でした。

3位は道路貨物輸送業! 長距離トラックの運転手は大変……

こちらも数年前からニュースによくなっていますね。長距離を長時間運転しているため非常にきついお仕事のようです。

きついし休めない……けど事故を起こさないように荷物を運ばなきゃいけないとなるとこのような結果になるのも当然なのかもしれません。

ずっと同じ姿勢で座りつづけていると体にはかなり負担なようです。精神的にも肉体的にもきついようですね。

申請件数は89件でした。こちらも同じく平成29年度と同じ3位でした。

大型免許や看護師などの資格を持っていないとできない専門的な仕事なのにきついのもなんだかおかしい話ですね。専門的なスキルを持った人たちが仕事しやすい世の中になればいいんですけどね……

4位は総合工事業! 自殺・自殺未遂者が1位の16人……

4位は総合工事業でした。職業分類上ではとび職や左官、塗装などの職種別工事業や設備工事業とは別の業種のようです。

一般土木建築工事業、舗装工事業などがこの業界に分類されるそうです。建設業界に詳しくない私には何が違うのかなんだかよくわからないですが……ゼネコンなどの業者もこの業種に近いそうです。

この業界のなにがヤバいかというと自殺・自殺未遂者が1位の16人ということです。精神疾患での労災申請をした人の約23%が自殺、もしくは自殺未遂をしているということですね……。

1位の介護業界と比べると倍近く自殺・自殺未遂者の人が多いということですね……総合工事業に一体何が起きているんでしょうか。

国立競技場の建設などで過労死による自殺が過去に起きたことがありましたが、やはり長時間労働などが多いのかもしれませんね。

平成29年度は5位で、4位は情報サービス業でした。どちらも長時間労働で有名な業界ですね。やっぱり残業が続くと心が病むんですかね……。

申請件数は68人でした。

5位は情報サービス業! ITはやっぱりきつい……

5位はITで申請人数は65人でした。ここから申請人数にあまり差がつかなくなってきます。というより1位の介護がダントツに多いですね……。

デスマーチやIT土方などの名で親しまれているIT業界が5位にランクインしました。

上流工程の方々のダメさが下流工程の方々を苦しめてるところはあると思うのですが、だいたい上流工程の方々も苦しんでいるので結局買い叩いて文句しか言わない顧客とだめな経営者のせいでこんなことになっているんでしょうね……。

自殺・自殺未遂者は10人でした。総合工事業ほどではないですが1位の介護業界に引けを取らない数字ですね。

申請件数と自殺者の差に違いが出るのは、ITや建設業界と介護業界だと、実は心を病む原因が別々だから、とか何かあるんでしょうか。

意外と大手企業のSlerなどでは企業体質が古いので、わけのわからん書類仕事が多かったりします。

上流工程だと進捗管理だとか進行管理だとかプロジェクトリーダーだとか呼ばれている方々がExcel職人になって頑張っていることが多いです。そりゃあ心病みますよね。

技術者なのに給与も安くてブラックで心も病みやすいなんてなるといろいろ自分を見失いそうになっちゃいますね。

6位は飲食店! やっぱりきつい仕事の定番

6位は飲食店で申請件数は58件でした。ワタミとかモンテローザとかきついことで有名ですもんね。

餃子の王将とかもきつい研修を取り入れていることでテレビで昔話題になっていました。

食べ物は厳しく扱わないといけません。私も昔スーパーのお惣菜コーナーの中の人でしたが、衛生管理は徹底されていました。法律で定められているから本当は当たり前のことなのですが……。

こちらも長時間労働で有名ですね。なんてったって24時間労働ですし。接客もかなりしっかりしていないといけないですしね。ある意味本当に社会貢献ですね。

結局飲食店がブラックになってるのって僕ら消費者側が問題なのでは……とは思いますが都合の悪いことは見て見ぬふりをするしかないですね。

利益しか考えてない長時間労働を強いる経営者が問題ということにしましょう。

まとめ

ランキング自体は15位まであるのですが書くのが面倒になってきたのでいったんここまでにしましょう。

これ以外にも職種ごとのランキングやなんで申請するに至ったのか、理由などもまとめられています。興味がある方は調べてみてください。

個人的に意外だったのが広告代理店や制作会社が出てこなかったことです。電通やリクルートみたいな広告とかメディアとかやってる会社はきついと聞いていたのですが意外とそうでないのかもしれないですね。

アニメの制作会社なども激務で有名ですが、ランキングには入っていませんでした。

それとも広告代理店や制作会社にいる人たちは精神疾患にかかり難い人たちが多いのかもしれませんね。

私が過去いた会社の上司は広告代理店出身のデザイナーでしたが、うつ病とか休職には縁遠い感じの人でした。

他だと、3位の道路貨物運送業が意外でした。精神疾患になりやすいのは、体の負担が大きいからなのでしょうか。それとも長時間車を運転していると人とのかかわりがないからなのでしょうか。

また、大東建託などで有名な不動産業界やスルガ銀行で世間を賑わせた金融業界がランクインしなかったのも意外でした。本にまでなっているのに……。

残業だけでなくノルマなども厳しい業界なので、ランクインするとは思っていたのですが意外とマシな業界なのかもしれませんね。

体育会系な人たちが多いからもともとタフすぎる人たちが多いというのもあるのかもしれませんね。あと、たいていこれらの業界は給与がいいのでつらくても頑張れるという人たちも多いのかもしれません。

もし皆さんがこれらの業界で転職を考えているのでしたら、メンタルヘルスなどには十分気を付けて臨むようにしましょう。

精神に悪影響を与えるのは長時間労働や本人自身の正確、周りの人との関係など様々な要因があります。

一番大切なのは自分に合った会社かどうかです。

このランキングにランクインしていない業界であっても精神疾患になってしまうことは十分にあり得ることなので、どんなことならつらいと感じるか、どんなことならつらいと感じないか、自己分析をすることが大切でしょう。

また、ランキング上位の業界は専門的な職種が多い業界でもありました。建設業界であれば施工管理や測量士、情報サービスならプログラミング、医療であれば医師や看護師、介護であれば介護士ですね。

どの業界も人手不足で有名な業界です。人手不足だから残業が増えることも多いでしょうし、だから精神的につらいという方も増えてくるのでしょう。

でも、資格や技術が必要になることが多いので、簡単には人手不足も解消しないでしょうね。

「早く次の仕事を見つけたい!」「正社員になりたいから、それでもこの業界に行きたい」という方も多いでしょうが、なるべくブラックではないところを選ぶようにしましょう。

特に残業時間に力を入れている会社と女性も働きやすいという職場はホワイトであることが多いです。働き方改革について考えていない会社は、この辺りには気を配らず、表彰や給与で社員のモチベーションを上げようとするからです。

これだと一部の成果を上げた人のみが得をして、多くの人たちはきつくて薄給のままになってしまいます。ある意味成果に対して公平に評価してくれる会社ではありますが、よほどできる人でない限りはつらいだけなのでやめておいた方が良いでしょう。

このランキングを参考に、自分はどういうところで働いていきたいか、いろいろ思いをはせてみるのもいいかもしれませんね。

参考文献

・厚生労働省  H29過労死等の労災補償状況
https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/H29_no2.pdf   平成30年7月06日

・厚生労働省  平成30年度「過労死等の労災補償状況」

https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/000521999.pdf   令和元年6月28日

統計

Posted by curation@