派遣社員の58.2%は残業なし? 平均時給は1419円、統計からみる働き方

2019年6月24日

派遣は給料も安いし面倒な仕事ばかり押し付けられてキツい……という職場もあるかもしれません。実際のところ派遣の働き方は給与に対してどうなのでしょうか。

実際に派遣会社で働いていた私の事例と、一般社団法人日本人材派遣協会の2018年度(平成30年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース)をもとに、働き方を見ていきましょう。

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派遣の給料ってどのくらい? 2018年度の平均時給は1419円 

はい。派遣の平均時給は1419円です。新卒3年目で派遣会社の営業として勤務していた私の時給は、1406円でした。私の時給は5万円分の見込み残業代込みでの時給です。福利厚生は社会保険以外一切なしです。ちなみに退職金もなしです。

若干ですが、正社員の私の時給よりも高い! 私からしてみればうらやましい限りです……。子供や養う家族がいるのなら全然話は別ですが、若いうちなら十分な給料ですね!

一日8時間、月20日勤務で考えると月給は227,040円でした。年収で計算すると2,724,480円でした。年収270万円だと、ボーナスのない会社の新卒正社員ぐらいの年収ですね。

無期雇用派遣だとボーナスも出るのでもっと高くなります。私のいた会社では年2か月分のボーナスが出ていました。そもそも正社員・製造・社宅手当ありだったので、事務系よりも給与が高いのは業界的には当然なのですが……。

ただし、これはあくまでも「平均」。時給1,000~1,250円未満の人は20.7%、時給1000円未満の方は3.6%でした。平均以下の人も決して少なくはないですね。

さすがに時給1000円未満だと生活も苦しいかもしれませんが、共働きの方や、誰かの扶養に入っているという方も少なくはないと思います。

業界別・勤続年数別にみると、派遣就業での主業務経験期間3 年未満・以上ともに製造・軽作業系が一番時給が低く、IT技術・通信系が一番時給が高いです。

やはり専門的なスキルを持っているほうが時給も高くなるようです。製造・技術派遣の会社にいた私としては、製造もスキルや知識がある程度必要なのですが、低いのが個人的には意外でした……。私のいた会社も 同業他社も額面で月収30万円以上の人が結構いたのですが……。

ただ、日雇い派遣なども含めたら当然金額は下がります。事務で日雇いの派遣はそう多くないので、製造・軽作業系が一番時給が低いのはそういう事情もあるのかもしれません。

ただし、職種別にみた場合、オフィス系以外は、サンプル数が50人前後のものがあり、統計的には誤差がある程度出てしまうので、実態と多少のズレはあるかもしれません。

派遣就業での主業務経験期間3年未以上の製造・軽作業系だと16人しか調査していないので、どこまで正しいか、そうでないのか注意する必要があると思います。

製造業でも自動車製造などであれば時給1500円越えも少なくないですし、単発の日雇いであれば最低賃金だったりするので、あくまでも「平均」としてとらえるのが良いかもしれませんね。

ちなみにオフィス系の時給は派遣就業での主業務経験期間3年未満で時給1521円でした。私と同じオフィス系なのになぜ正社員の私より高いんでしょうね(しかも見込み残業代込みで)……ここまで差が出るんでしょうかね……。

最近はオフィス系だとExcelが使えるのが当たり前的な感じになりつつあるので、事務系の派遣がいいな、という方はExcel・wordをしっかりと勉強しましょう。

厚生労働省が発行している「平成29年賃金構造基本統計調査の概況」では、平成29年度の正社員の月給は304,300円でした。これをもとに平均時給を計算してみると、1901円でした。

やはり正社員のほうが給与はいいですね。ボーナスや福利厚生のある会社なら、もっともらっている人も多いでしょう。平均とはいえど、私の給料結構低いですね……転職待ったなし……。

時給1,500~1,750円未満の方は36.4%、1,750円以上の方は14.1%でした。正社員の私よりも時給の高い方が半分以上だと思うと、もはや正社員であることに意味はあるのでしょうか……これもある意味働き方改革なのかもしれませんね……。

「それでも福利厚生がよくなかったりするんじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。が、実際には、9割以上が「雇用保険」、「健康保険」、「公的年金保険」に加入ということなので、最低限の福利厚生はあるみたいですね。

個人的に意外だったのは、

賃金では「不満」、「やや不満」と答えた人が 計54.9%。 「満足」、「やや満足」と答えた人の計24.5% を大きく上回っています。


2018年度(平成30年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース) . 一般社団法人 日本人材派遣協会 .2018

という部分でした。「見込み残業代込みの正社員の私よりも多くもらってる人のほうが多いじゃん!」と思ったのですが、やはり賃金に不満という方のほうが多いようです。

正社員の人のほうが、もらっている人はたくさん給料をもらっているはずなので、不満も出るものなのかもしれないですね。

派遣社員の半分は残業なし! ホワイトな働き方

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どんな仕事が楽かどうかは人によるかもしれません。作業が多い仕事が好きな人もいれば苦手な人もいます。座り仕事がいいという人もいれば、接客をしてるほうがいいという人もいます。

仕事が楽かどうかを知りたいときに残業時間に注目する人も多いと思います。なんと派遣社員の58.2%が残業なしなのです! 驚異的な数値ですね!

しかも20時間以上の残業をしていると回答した人は5.1%だけ。それ以外の人は20時間以内の残業時間なのです!

まさにホワイトな働き方ですね! 残業代が出ないブラック薄給正社員で働くぐらいなら派遣社員で働いているほうがいいかもしれないですね……。

まとめ

あくまでも統計の話なので、当然派遣社員で最低賃金で働いている方もいらっしゃるでしょうし、私の務めいていた技術派遣会社では、総支給額が月収50万円以上の方もいましたし、ずっと給与が上がっていない人もいました。「残業が多くて過労死しそう……」「特別条項の上限を突破しました!」という方も少ないですがいました。ほとんどの方が定時帰りでしたが……。

これだけみて派遣社員が楽かどうなのかを決めてしまうのはいろいろと問題がありそうですが、残業という観点だけからみると結構楽な働き方なのかもしれません。見込み残業代込みでも派遣社員の平均時給よりも安い時給で残業ありな私と比べるとなんだか待遇よさそうと思っていしまいますが、隣の芝生は青く見えるもの。きっと苦労もたくさんあるのかもしれません。

皆さんも転職やパートを考えるときに、このような統計データを参考にするとよいかもしれませんね。

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参考文献

一般社団法人日本人材派遣協会.2018年度(平成30年度)派遣社員WEBアンケート調査(プレスリリース.2018
https://www.jassa.or.jp/employee/enquete/190115web-enquete_press.pdf

平成29年賃金構造基本統計調査の概況.厚生労働省.2018
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2017/dl/13.pdf